摘房ぶどう500kgで醸す「Far Yeast Grapevine 2026」が出荷開始。果皮とロスビールからジンも造る二段階のアップサイクル
ワイン用のぶどう畑では、実る前に房を間引きます。間引かれたぶどうは土へ還り、肥料になります。
間引かれたぶどう約500kgを引き取ってビールにした一本が出ました。
Far Yeast Brewingの「Far Yeast Grapevine 2026」です。
販売は2026年10月9日から始まり、酒販店や飲食店への出荷は10月13日からです。数量限定になります。
この記事は、こんなことを知りたいあなた向けです。
- 間引かれたぶどうがどうやってビールになるのか
- どんな味に仕上がっているのか
- 一緒に出たジンは何が違うのか
- どこで買えるのか
読み終えるころには、試してみるかどうかが決められます。
目次
土へ還るはずだったぶどう500kgがビールになった

Far Yeast Brewingは、山梨県小菅村に本社を置く醸造所です。代表取締役社長は山田司朗さんです。
組んだ相手は、シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリーのぶどう栽培を担うメルシャンヴィティコール勝沼株式会社です。
取り組みが始まったのは2021年です。ワイン造りに使われなかったぶどうを、クラフトビールへアップサイクルするという内容です。
2026年8月には、Far Yeastのスタッフも山梨市の「シャトー・メルシャン 鴨居寺ヴィンヤード」の畑へ出て、摘房の作業に加わりました。
買い受けた摘房果実は約500kgです。
摘房のぶどうはワインにならないがビールにはなる

「摘房」は、ワイン用のぶどうを育てる途中で房を間引く作業です。
残した房ひとつひとつに栄養が行き渡るようにするためで、間引いた房はそのまま土へ還されます。
間引かれた時点の実は、まだ糖度が低い状態です。ワインの醸造には向きません。
ところが、ビールにするには十分な糖度があります。ワインにならない糖度が、ビールの原料としては足りるということです。
捨てる前提のものを使うという話ではなく、ワインとビールで必要な糖度が違うという話になります。
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今年はシラー400kgと9種類100kg

2026年に使ったぶどうの内訳は、公式に出ています。
| 使ったぶどう | 量 |
|---|---|
| 赤ワイン品種「シラー」 | 400kg |
| 「マスカット・ベーリーA」ほか9種類 | 100kg |
| 合計 | 約500kg |
※Far Yeast Brewingが2026年10月9日に発表した内容による
シラーは、山梨で新しく挑戦している赤ワイン品種です。マスカット・ベーリーAなどを足して、全部で10種類が入ります。
「Far Yeast Grapevine」は、地域と組んで山梨の魅力を発信する「Brewed with YAMANASHI」のラインナップに置かれています。
Far Yeast Grapevine 2026の中身

スタイルはフルーツセゾンです。ぶどうの果汁と果皮を仕込みのときに入れ、発酵の後半にホップを足しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | Far Yeast Grapevine 2026 |
| スタイル | Fruited Saison |
| アルコール分 | 6.0% |
| IBU | 10 |
| 品目 | 発泡酒 |
| 原材料 | 麦芽(外国製造)、ぶどう(山梨県産)、ホップ、糖類 |
| ホップ | Freestyle Nelson Sauvin |
| 仕様 | 350ml缶/15L樽 |
| 醸造所 | Far Yeast Brewing 源流醸造所(山梨県小菅村) |
※山梨県産のぶどうを使っているため、酒税法上の品目は発泡酒になる
見た目はゴールドです。ぶどう由来のフラワリーでスパイシーな香りに、Nelson Sauvinホップの白ワインのような香りと、セゾン酵母のスパイシーな香りが重なります。
味はぶどうの程よい酸味があり、後味には赤ワインのようなタンニン感が出ます。ワインとビールの中間のような仕上がりです。
IBUは10です。苦みは前に出ません。
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残った果皮とロスビールからジンを造る

同じ日に「Azeotrope Grapevine Gin」も出ました。アップサイクルがもう一段あります。
ボタニカルに使うのは、Grapevine 2026を仕込んだあとに残ったぶどうの果皮です。
ベースになるアルコールは、ビール製造で出るロスビールから抽出したものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | Azeotrope Grapevine Gin |
| スタイル | Beer Distilled Gin |
| アルコール分 | 45.0% |
| 品目 | リキュール |
| 内容量 | 150ml/500ml |
| ボタニカル | ぶどうの果皮、ジュニパーベリー、コリアンダーシード、アンジェリカルート |
※Far Yeast Brewingの発表による
麦芽の香りをほのかに残しながら、ぶどうの風味を立てた味です。
ジュニパーベリーのすっきりした爽やかさ、コリアンダーシードの柑橘を思わせる軽さ、アンジェリカルートの土っぽい深みが重なります。ストレートやロックのほか、ソーダ割りやトニック割りでも飲めます。
ブランド名の「Azeotrope」は共沸という現象のことです。沸点の違う2つの液体をある比率で混ぜると、組成比を保ったまま一緒に沸騰します。
ビールとスピリッツが共に生きるという意味で付けられました。
Far Yeast Grapevine 2026がおすすめな人

「Far Yeast Grapevine 2026」がいちばん向いているのは、ワインも飲む人です。
赤ワインのようなタンニン感と白ワインを思わせる香りが入るので、ワインの言葉で味を追えます。
苦いビールが苦手な人にも向きます。
IBUは10で、苦みより酸味と香りが前に出ます。
食べ物のロスに関心がある人にも合います。
土へ還るはずだったぶどうを使い、残った果皮とロスビールからジンまで造るという二段構えです。
反対に、いつでも買える定番を探している人には向きません。
どちらも数量限定で、毎年同じものが出るわけでもありません。
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まとめ

「Far Yeast Grapevine 2026」と「Azeotrope Grapevine Gin」についてまとめます。
- 販売開始は2026年10月9日。酒販店・飲食店への出荷は10月13日から。どちらも数量限定
- シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリーのぶどう栽培を担う会社と組んだ取り組みで、2021年から続いている
- 使うのは摘房されて土へ還るはずだったぶどう約500kg。シラー400kgとマスカット・ベーリーAなど9種類100kg
- 摘房の実は糖度が低くワインには向かないが、ビールには足りる
- Grapevine 2026はフルーツセゾン。アルコール分6.0%、IBU10、350ml缶と15L樽
- 品目は発泡酒。山梨県産のぶどうを使っているため酒税法上そうなる
- Azeotrope Grapevine Ginは、Grapevineの果皮とロスビールから造ったクラフトジン。アルコール分45.0%
- 販売は公式オンラインストアと、全国の酒販店・飲食店・ビアバー
材料を捨てずに使うという話は増えましたが、1回で終わることがほとんどです。Far Yeast Brewingは、ぶどうでビールを造り、残った果皮でジンを造りました。
間引いた房が、ビールとジンの2つになって出てきたことになります。
ワインとビールのあいだのような一杯を、試してみてください。
大好きなビールを存分に楽しみましょう。
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