酒税改正から3日でビールが19.5%増、新ジャンルは35.1%減。全国のスーパーのPOSデータで10月の動きが出た
2026年10月1日に酒税が変わり、ビールが安く、新ジャンルが高くなりました。
では、売り場で実際に何が起きたのか。改正から3日間の販売データが出ました。
株式会社マーチャンダイジング・オンが、全国のスーパーのPOSデータをまとめたものです。
ビールの販売数量は前年同期より19.5%増え、新ジャンルは35.1%減りました。
この記事は、こんなことを知りたいあなた向けです。
- 酒税改正で税額がどう変わったのか
- カテゴリーごとに売れ方がどう変わったのか
- 改正の前に買い控えがあったのか
- どの銘柄が伸びたのか
読み終えるころには、これから何を買うかの判断材料が手に入ります。
目次
10月1日にビール系飲料の酒税が一本化された

2026年10月1日の改正で、ビール系飲料の酒税率が350ml換算54.25円に一本化されました。
改正前はビールと発泡酒と新ジャンルで税率が分かれていましたが、同じ額にそろいました。
ビールは税の負担が軽くなりました。麦芽比率25%未満の発泡酒と新ジャンルは、逆に重くなっています。
チューハイなどの「その他の発泡性酒類」も、350ml換算で28円から35円へ引き上げられました。
税額が変わっても、店頭の値札が同じだけ動くとは限りません。
商品や販売の条件によって反映のしかたは変わります。そこで実際の販売データを見ることになります。
改正後3日間でビールは19.5%増、新ジャンルは35.1%減

改正直後の10月1日から3日までの販売数量を、曜日をそろえた前年同期と比べた数字です。
9月の1か月間の数字も並べると、改正をはさんで動きが変わったことがわかります。
| カテゴリー | 9月(改正前) | 10月1〜3日(改正後) |
|---|---|---|
| ビール | −5.0% | +19.5% |
| 発泡酒 | −4.1% | −25.6% |
| 新ジャンル | −15.2% | −35.1% |
| RTD(チューハイなど) | −3.2% | −13.2% |
※いずれも販売数量の前年比。株式会社マーチャンダイジング・オンが2026年10月6日に発表した内容による
ビールだけが前年割れからプラスに転じました。
ほかの3つはもともと前年を下回っていたところから、下げ幅がさらに広がっています。
新ジャンルの35.1%減がいちばん大きな動きです。
税の負担がいちばん重くなったカテゴリーが、いちばん大きく減ったことになります。
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改正の5日前から買い控えらしき動きが出ていた

日ごとの数字を前年の同じ曜日と比べると、改正の前から動きが出ていました。
| 日付 | ビールの販売数量(前年同曜日比) |
|---|---|
| 9月21日 | +3.9% |
| 9月22日 | +18.8% |
| 9月23日 | +17.0% |
| 9月24日 | −2.0% |
| 9月25日 | −3.6% |
| 9月26日 | −17.8% |
| 9月27日 | −11.2% |
| 9月28日 | −10.8% |
| 9月29日 | −20.1% |
| 10月1日 | +22.3% |
| 10月2日 | +17.3% |
| 10月3日 | +19.3% |
※10月1日が酒税改正の日。株式会社マーチャンダイジング・オンの発表による
9月23日までは前年を上回っていたのが、24日からマイナスに変わります。
26日からは4日続けて1割から2割の下げが続きました。
改正の5日前にあたる9月26日ごろから、買い控えらしき動きが目立ってきたことになります。
安くなるのを待った人がいたとすれば、改正後の増加には反動も含まれます。
銘柄別では一番搾り350mlが57.2%増

銘柄ごとにも差が出ました。改正後3日間で前年を大きく上回った商品があります。
| 商品 | 販売数量(前年比) |
|---|---|
| キリン 一番搾り 350ml | +57.2% |
| サントリー生ビール 500ml | +49.4% |
| サッポロ 黒ラベル 500ml | +48.5% |
| アサヒ スーパードライ 350ml | +20.7% |
※いずれも単缶が対象で、6缶パックやケースは含まない。市場全体の伸長率ランキングではない
伸び方は銘柄によって違います。4つのうち、一番搾りと生ビール、黒ラベルは5割前後、スーパードライは2割でした。
ただし、一番搾りはリニューアルに合わせて10月1日からテレビCMが流れ始めています。
酒税改正だけで説明できる数字ではありません。
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2027年4月の消費税引き下げ案に酒類は入っていない

発表では、2027年4月から予定されている消費税の改正案にも触れています。
2026年9月15日に閣議決定された大綱では、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、対象の飲食料品の消費税率を1%へ引き下げる案が示されました。
ただし酒類は対象外です。
改正案は、法案が国会に出され、可決・成立した場合の内容になります。
成立すれば食品の値札が広く下がる一方、ビールや発泡酒の値札はそのままという形になります。
3日間の速報値なので3つの点に気をつける

今回の数字は、改正後3日間の速報値です。受け取るときに気をつけたい点が3つあります。
- 3日間の数字なので、需要の移り変わりが定着したとまでは言えない
- 天候、販促、店頭価格、前年の販売状況も販売実績に影響する。酒税改正だけが理由とは断定できない
- 表の「新ジャンル」はデータ上の分類名で、酒税法の区分とは一致しない
発表元も、今回のデータだけで酒税改正との因果関係や買い控えの開始日を断定することはできないとしています。
改正の前に買い控えがあったとすれば、改正後の増加には反動が混じります。
本当に売れ方が変わったのかは、10月以降の動きを追ってみないとわかりません。
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まとめ

酒税改正後の販売データについてまとめます。
- 2026年10月1日にビール系飲料の酒税率が350ml換算54.25円に一本化された
- チューハイなどの「その他の発泡性酒類」は350ml換算28円から35円へ上がった
- 改正後3日間の販売数量は、ビールが前年比19.5%増
- 発泡酒は25.6%減、新ジャンルは35.1%減、RTDは13.2%減
- 9月26日ごろから、改正を待つような買い控えらしき動きが出ていた
- 銘柄別ではキリン一番搾り350mlが57.2%増と伸びたが、同時期にテレビCMも始まっている
- 2027年4月から予定される飲食料品の消費税率引き下げ案に、酒類は入っていない
- いずれも全国のスーパーのPOSデータによる3日間の速報値
税が変われば売れるものが変わる、というのはわかりやすい話です。実際の数字は、もう少し込み入っていました。
改正の前から売れ方が動いていて、改正後の伸びには反動が混じります。
安くなったビールを選ぶか、使い慣れた銘柄を続けるか。値札を見ながら決めてください。
大好きなビールを存分に楽しみましょう。
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