東京都大田区の多摩川にある醸造所、羽田ブルワリー(株式会社羽田麦酒)を紹介します。

羽田ブルワリーは、2014年12月に免許を取って醸造を始めた、大田区で最初のビール工場です。

壁の色塗りから醸造タンク、配管まで、工場のほとんどを自分たちの手で仕上げました。

1回の仕込みは150リットルで、330ミリリットルの瓶にすると400本ほどです。

小さな設備を生かして、飲食店が出すオリジナルビールを代わりに仕込むところから始まりました。

それでは、羽田ブルワリーのビールと買い方について、わかりやすく紹介していきます。

この記事は、こんなことを知りたいあなた向けです。

  • 羽田ブルワリーがどんな醸造所なのか
  • 羽田ビールの定番6種類がどんな味なのか
  • クラフトジンにどんな種類があるのか
  • どこで飲めて、どこで買えるのか

読み終えるころには、羽田ビールの中から飲んでみたい1本が見つかります。

羽田ブルワリーとは

羽田ブルワリーとは

羽田ブルワリーは、東京都大田区の多摩川にあるビールの工場です。

東急多摩川線の矢口渡駅から徒歩5分、住宅街のビルの1階にあります。

運営は株式会社羽田麦酒で、2014年12月に酒類の製造免許を取って醸造を始めました。

大田区で最初にできたビール工場です。

創立者の鈴木祐一郎さんは、東京農業大学で醸造を学びました。

卒業後は食品プラントのメーカーに入り、大手の地ビール工場の立ち上げに参加して醸造設備の設計に携わります。設備の中身を知る立場から、地元の大田区に自分の工場を建てました。

醸造所の名前には、羽田空港の知名度を借りて大田区の名前を広めたい、世界に羽ばたくビールにしたいという思いを込めています。

工場があるのは羽田ではなく矢口渡の住宅街ですが、ビールの名前は羽田ビールで通しています。

2020年には、受託の製造で積み上げた経験をもとに自社ブランドのレシピを大きく見直しました。

リキュールの免許は2019年12月に取り、2020年からクラフトジンの製造にも手を広げています。

羽田ブルワリー 3つの特徴

羽田ブルワリー 3つの特徴

羽田ブルワリーの特徴は3つあります。

工場の建て方、仕込みの単位、そして新しい味の生まれ方です。

特徴1:醸造タンクも配管もほとんど手作りで工場を建てた

鈴木さんはDIYが好きで、工場の設備を自分たちで仕上げました。

壁の色塗りはもちろん、醸造タンクや配管まで手をかけています。

食品プラントのメーカーで醸造設備の設計に携わった経験が、そのまま自分の工場に生きました。

既製品をそろえるのではなく、造りたいビールに合わせて設備を組み立てられる強みがあります。

特徴2:150リットルからオリジナルビールの醸造を請け負う

醸造をよそに頼む場合、1回で500リットルから数千リットルの単位を求められることが多くなります。

羽田ブルワリーは1仕込み150リットルからで、330ミリリットルの瓶なら400本ほど、10リットルの樽なら15本ほどの量です。

醸造の免許も設備も持たない飲食店や企業が、自分の名前を付けたビールを出せる仕組みです。

イベントや会社の福利厚生、パーティーの記念品といった使われ方もしています。

開業したときは受託の製造だけを手がける専業の醸造所でした。

いまは自社ブランドの羽田ビールと、依頼を受けて造るビールの両方を仕込んでいます。

特徴3:ビール業界の外からの発想を味に取り入れる

2025年、東京工科大学デザイン学部の学生と組んで「包」というビールを造りました。

学生が蒲田の街を調べ、多国籍な飲食店と誰でも受け入れる銭湯から「包容力」というコンセプトを立て、名前とパッケージのデザインまで手がけています。

学生が選んだ味の方向は出汁でした。

原材料には鰹と昆布と椎茸が並び、材料は大田市場で探しています。定番の6種類と掛け合わせても合わず、定番にはないアンバーエールで仕上げました。

レシピを担当した野呂駿佑さんは、同じものを造り続けるだけではいけないと話しています。

10年以上ビールを造ってきて手がけたことのない味を、業界の外からの提案で引き受けた形です。

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羽田ビール 定番6種類

羽田ビール 定番6種類

羽田ビールの定番は6種類です。

スタイルはペールエールからポーターまで幅がありますが、どれも原材料にハチミツを使っています。

ペールエール:柑橘系のホップが香るしっかりした苦みのアメリカンペールエール

カスケードなど、華やかな柑橘系の香りを持つホップを使ったアメリカンペールエールです。

ホップの香りが立ち、飲んだあとにしっかりした苦みが残ります。

アルコール度数は5.5パーセント、苦みの指標であるIBUは37です。

原材料は麦芽とホップとハチミツです。

項目 評価
コク ★★★☆☆
キレ ★★★☆☆
苦み ★★★★☆
酸味 ★☆☆☆☆
甘み ★★☆☆☆

ヴァイツェン:バナナのような香りで苦みの少ないヘフェヴァイツェン

大麦の麦芽と小麦の麦芽を50パーセントずつ使った、南ドイツ発祥のヘフェヴァイツェンです。

酵母が生むバナナのようなエステル香があり、フルーティーな飲み口に仕上がっています。

アルコール度数は5パーセント、IBUは10で、定番6種類の中でいちばん苦みを抑えた1本です。

原材料には麦芽とホップのほか、オレンジピールとコリアンダー、ハチミツが入ります。

項目 評価
コク ★★★☆☆
キレ ★★☆☆☆
苦み ★☆☆☆☆
酸味 ★★☆☆☆
甘み ★★★☆☆

IPA:ガツンとくる苦みとフルボディのアメリカンIPA

強いホップの香りと、はっきりした苦みが持ち味のアメリカンインディアペールエールです。

麦芽をたっぷり使い、飲みごたえのあるフルボディに仕上げています。

アルコール度数は6.5パーセントで、定番6種類の中でいちばん高い数字です。

IBUは54で、原材料は麦芽とホップとハチミツです。

項目 評価
コク ★★★★☆
キレ ★★★☆☆
苦み ★★★★★
酸味 ★☆☆☆☆
甘み ★★☆☆☆

ゴールデンエール:5種類のホップで香りづけした繊細な黄金色の1本

透き通るようにきれいな黄金色のエールです。

5種類のホップで香りをつけていて、ラガーとは違う繊細な味わいになっています。

アルコール度数は5パーセント、IBUは23です。

原材料は麦芽とホップとハチミツで、見た目はラガーのようですが、造りはエールです。

項目 評価
コク ★★☆☆☆
キレ ★★★★☆
苦み ★★☆☆☆
酸味 ★☆☆☆☆
甘み ★★☆☆☆

ポーター:黒蜜を隠し味に使った濃厚で余韻の長いロブストポーター

隠し味に黒蜜を使った、濃厚な味わいのロブストポーターです。

どっしりとしたボディがあり、飲んだあとに長い余韻が続きます。

アルコール度数は4.5パーセント、IBUは14です。

原材料は麦芽とホップ、黒糖とハチミツで、色の濃さから受ける印象よりも度数は控えめです。

項目 評価
コク ★★★★★
キレ ★★☆☆☆
苦み ★★☆☆☆
酸味 ★☆☆☆☆
甘み ★★★★☆

セッションIPA:白ブドウを思わせる飲み口で度数を抑えたセッションIPA

IPAの苦みはそのままに、アルコール度数を下げて飲みやすくしたセッションIPAです。

ニュージーランド産のネルソン・ソーヴィンというホップをぜいたくに使い、白ブドウのようなフレッシュな飲み口に仕上げています。

アルコール度数は4.5パーセントですが、IBUはIPAと同じ54です。

原材料は麦芽とホップとハチミツです。

項目 評価
コク ★★☆☆☆
キレ ★★★★☆
苦み ★★★★★
酸味 ★★☆☆☆
甘み ★☆☆☆☆

定番6種類を1本ずつ飲み比べられるセットもある

6種類を1本ずつ詰めたセットも出ています。

どれから試すか決められないときや、贈りものにするときに向いています。

大田区のふるさと納税の返礼品にも、定番6種類の飲み比べセットが入っています。

東京の森から造るクラフトジン「BATH LAB GIN」

東京の森から造るクラフトジン「BATH LAB GIN」

羽田ブルワリーは2020年からクラフトジンも造っています。

銘柄はBATH LAB GINで、いまのところ3種類あります。

おいしい水を作りだしているのは森林だ、という考え方が出発点です。

東京の森林資源をボタニカルに使うことで、水の課題を知ってもらいたいという思いを込めています。

3種類はいずれもコンパウンドジンです。

蒸留したスピリッツにボタニカルを漬け込んで香りを移す造り方を指します。

#000 プレーン:ジュニパーベリーだけを漬け込んだ土台の1本

ジンの土台になるジュニパーベリーだけを漬け込んだ1本です。

ジュニパーベリーはヒノキ科の木の実で、和名をセイヨウネズといいます。

香りの要素をひとつに絞っているぶん、ハーブのような香りをまっすぐ楽しめます。

ジントニックのほか、カクテルのベースにも向いています。

#001 桜:桜餅の桜葉を効かせた甘い香りの1本

ジュニパーベリーやコリアンダーといった基本のボタニカルに、桜餅に使う桜の葉を加えています。

スパイシーな香りの奥に、花のような甘い香りが感じられます。

氷を浮かべたロックグラスでゆっくり飲むと、味わいが少しずつ変わります。

ソーダで割って、立ちのぼる桜の香りを楽しむ飲み方もあります。

#002 檜:青梅の杉と檜を使った飲む森林浴のような1本

東京都青梅の杉と檜を使って、味と香りをつけています。

時間をかけて漬け込んだ香りは木のぬくもりを感じさせ、飲む森林浴とも呼べる味わいです。

多摩川の上流にある奥多摩と、下流の江戸とのつながりを、ジンで表した1本でもあります。

醸造所が建っているのも、多摩川という地名の町です。

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羽田ビールが飲めるお店と醸造所の場所

羽田ビールが飲めるお店と醸造所の場所

矢口渡の醸造所では、ビールの販売と工場見学をしていません。

羽田ビールを店で飲むなら、グループ会社が営む直営店に向かうことになります。

グループ会社の直営店「Brew Lounge 市ヶ谷」で飲める

東京都千代田区の九段北にある「Brew Lounge 市ヶ谷」は、羽田ビールを注いでいる直営店です。

イタリア料理に合わせてクラフトビールを出す店で、羽田ブルワリーで仕込んだビールが樽で並びます。

2025年に東京工科大学の学生と造った限定のビール「包」も、Brew Lounge 市ヶ谷で出されました。

定番の6種類だけでなく、限定で仕込んだビールに出会える場所です。

醸造所の情報

会社名 株式会社羽田麦酒(羽田ブルワリー)
所在地 東京都大田区多摩川1-23-12 石井ビル1階
最寄り駅 東急多摩川線 矢口渡駅から徒歩5分
電話番号 03-6715-0702
見学・販売 醸造所でのビールの販売と工場見学はしていません
公式サイト haneda-brewery.com

※2026年9月時点の情報です。営業時間や定休日は変わることがあります。訪問前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。

まとめ

まとめ

羽田ブルワリーは、次のような醸造所です。

  • 東急多摩川線の矢口渡駅から徒歩5分。2014年12月に免許を取った、大田区で最初のビール工場
  • 創立者の鈴木祐一郎さんは醸造設備の設計に携わった人で、壁の色塗りからタンクや配管まで手作りした
  • 1仕込み150リットルからオリジナルビールの醸造を請け負う。330ミリリットルの瓶なら400本ほど
  • 定番の羽田ビールは6種類。ペールエールからポーターまでそろい、どれもハチミツを使う
  • 2020年からはクラフトジンのBATH LAB GINも造り、東京の森の杉や檜を香りに使っている

矢口渡の住宅街で仕込まれた6種類から、気になる1本を選んでみてください。

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