岩手県岩泉町。

日本三大鍾乳洞のひとつ、龍泉洞がある町です。

洞内の地底湖は世界有数の透明度で知られ、湧き出す水は名水百選に選ばれています。

龍泉洞の水を仕込み水にして、170年ものあいだ日本酒を造ってきた蔵があります。

泉金酒造です。

2024年、同じ水でクラフトビールを造り始めました。

この記事は、こんなことを知りたいあなた向けです。

  • 岩手のクラフトビールを飲んでみたい
  • 龍泉洞に行くついでに寄れる場所を探している
  • 名水で造られたビールを飲んでみたい
  • 岩泉町でビールが飲める場所を知りたい

この記事を読めば、泉金酒造の成り立ちから銘柄の特徴、醸造所を併設した施設「龍泉洞わっか」の情報までまるごとわかります。

泉金酒造のクラフトビールとは

泉金酒造のクラフトビールとは

泉金酒造は、岩手県岩泉町にある酒蔵です。

創業は安政元年、西暦でいえば1854年になります。

黒船が来航して江戸が騒がしくなっていたころ、遠く離れた岩泉の八重樫家で日本酒の初搾りが試みられました。

初代・八重樫長吉から数えて5代目、喜太郎のときのことです。

代表銘柄は「龍泉八重桜」。

売り出しを始めたのが明治23年(1890年)ですから、130年以上続く銘柄になります。

仕込み水に使っているのは、龍泉洞の地底湖から湧く水。

龍泉洞のなかで酒を貯蔵する取り組みもしています。

170年続いてきた蔵が、クラフトビールの醸造を始めました。

2024年8月に第1弾となる「龍泉洞ヴィベール」の提供がスタートしています。

醸造所を置いたのは、龍泉洞のすぐ近くにある交流拠点「龍泉洞わっか」の建物のなか。

できたてのビールを、施設のタップルームで飲めるようになっています。

醸造元 泉金酒造
運営会社 泉金ホールディングス株式会社
所在地(蔵) 岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉字太田30番地
創業 安政元年(1854年)
日本酒の代表銘柄 龍泉八重桜
ビール醸造開始 2024年
醸造所 龍泉洞わっか(岩泉町岩泉字小屋敷4-8)内
公式サイト ginga.or.jp/senkin

※2026年9月時点の情報です。

泉金酒造のビール 3つの特徴

泉金酒造のビール 3つの特徴

泉金酒造のクラフトビールを語るうえで外せない点が3つあります。

水・造り手・素材の順に紹介します。

特徴1:名水百選に選ばれた龍泉洞の水で仕込む

いちばんの土台は水です。

龍泉洞の地底湖から湧く水は名水百選に選ばれ、世界有数の透明度で知られています。

公式サイトによれば、龍泉洞の水は弱アルカリ性。

体内吸収率の良い無機質のミネラルをバランスよく含み、ビール酵母との相性が非常に良いことが証明されている、と書かれています。

龍泉洞は国の天然記念物に指定された鍾乳洞で、日本三大鍾乳洞のひとつに数えられます。

洞内の地底湖は世界有数の透明度を誇り、水深は100メートルを超えるところもあります。

硬度も発酵に適しているとされます。

澄んだ味わいとクリアなのどごしは、水から来ています。

特徴2:170年続く酒蔵が造るビール

造っているのは、1854年から日本酒を醸してきた蔵です。

麹を扱い、発酵を管理し、水と向き合ってきた時間が170年分あります。

日本酒とビールは造り方が違いますが、発酵を扱う技術という点では地続きです。

170年分の蓄積を持ち込んで、ビール造りに着手しました。

蔵は明治16年(1883年)の大火で全焼し、現在の場所に建て直されたもの。

当時の梁や柱が今も残っています。

特徴3:岩泉の素材をビールに入れる

第1弾の「龍泉洞ヴィベール」には、岩手県産のヒエとアワが使われています。

ドイツ産の大麦と小麦に、雑穀を加えて仕込む形です。

公式サイトには、これから造る予定のビールの例として山ぶどう・りんご・塩・雑穀が挙げられています。

岩泉町と周辺で採れるものを、順にビールに入れていく構えです。

地元の素材を使ったビールを、地元の水で仕込む。

土地から出るものだけで一本を組み立てようとしています。

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ビールのラインナップ

ビールのラインナップ

醸造を始めてまだ日が浅いので、銘柄の数は多くありません。

取材時点で確認できたのは2種類です。

どちらも龍泉洞わっかのタップルームで飲めます。

龍泉洞ヴィベール(雑穀ヴァイツェン)

2024年8月に登場した第1弾です。

銘柄名の「ヴィベール」は、ラテン語で「飲む」を意味する言葉から取られています。

スタイルは雑穀ヴァイツェン。

ドイツ産の大麦と小麦をベースに、岩手県産のヒエやアワなどの雑穀を加えて仕込みます。

アルコール度数は4%と軽め。

雑穀が入るぶん、素朴で軽やかな味わいに仕上がっています。

ビールを飲み慣れていない方でも入りやすい一本です。

スタイル 雑穀ヴァイツェン
アルコール度数 4%
原料 ドイツ産の大麦・小麦、岩手県産のヒエ・アワなどの雑穀
仕込み水 龍泉洞の水
提供開始 2024年8月

項目 評価
コク ★★★☆☆
キレ ★★★☆☆
苦み ★☆☆☆☆
酸味 ★★☆☆☆
甘み ★★★★☆

ストロングペールエール

もう1種類は、度数を上げたペールエールです。

アルコール度数は7%と、ヴィベールの倍近くあります。

ヴィベールが軽やかな一本なので、飲み比べると振れ幅がよくわかります。

ゆっくり時間をかけて飲みたい方はストロングペールエールを選んでください。

スタイル ストロングペールエール
アルコール度数 7%
仕込み水 龍泉洞の水

項目 評価
コク ★★★★☆
キレ ★★★☆☆
苦み ★★★★☆
酸味 ★★☆☆☆
甘み ★★☆☆☆

公式サイトには、これから造る予定のビールとして山ぶどう・りんご・塩・雑穀を使ったものが挙げられています。

訪れるたびに種類が増えていく段階にある醸造所です。

タップルームには飲み比べセットも用意されています。

2種類の違いをまとめて確かめたいなら、飲み比べから始めるのがおすすめです。

龍泉洞わっかという場所

龍泉洞わっかという場所

醸造所が入っているのは「龍泉洞わっか」という施設です。

龍泉洞のすぐ近く、閉店したレストハウスを改装して2023年4月にオープンしました。

名前の由来は、人と人の輪。

「多くの人が集まり、笑顔が結ばれる場所になることを願って、この施設を『わっか』と名付けました」と公式サイトに書かれています。

「水からはじまる人と人の輪」「地底湖からひろがる未来」という言葉も掲げられています。

ショップ・タップルーム・ブルワリーが1棟に入る

建物のなかは3つに分かれています。

岩泉町や三陸沿岸の産品を売るショップ、できたてのビールを飲めるタップルーム、そしてビールを造るブルワリーです。

ショップに並ぶのは、岩泉町の季節の野菜、三陸産の海産物、日本酒「龍泉 八重桜」、岩泉ヨーグルトなど。

アウトドアブランドの品も置かれています。

地元農家のファーマーズマーケットや実演販売など、季節ごとのイベントも開かれます。

岩泉町は、本州でいちばん面積の広い町です。

町の大半を山林が占め、地下には龍泉洞の水を生む水脈が走っています。

岩泉ヨーグルト、龍泉洞黒豚、短角牛。

知られた特産品はどれも、岩泉の水と草で育ったものです。

ビールも岩泉の特産品に加わりました。

軽食も龍泉洞の水と地元の食材でつくる

タップルームでは軽食も出しています。

岩泉町で育てられているブランド豚「龍泉洞黒豚」を使ったシュウマイ、山地酪農牛乳のソフトクリームなど。

龍泉洞の水で淹れたコーヒーやりんごジュースもあるので、車を運転する方や、お酒を飲まない方も一緒に楽しめます。

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泉金酒造のビールを味わう方法

泉金酒造のビールを味わう方法

泉金酒造のクラフトビールは、龍泉洞わっかのタップルームで飲めます。

缶や瓶での通販はしていないので、味わうなら現地へ行くことになります。

龍泉洞わっかで味わう

龍泉洞の観光と組み合わせられる立地です。

龍泉洞を歩いたあとに、同じ水で造ったビールを飲む。順番として自然です。

盛岡からはバスで約2時間。

浄土ヶ浜から60分、北山崎から50分と、三陸海岸の観光地からも行き来できます。

敷地内に駐車場があります。

ビールを飲む方は、運転しない形で訪ねてください。

施設名 龍泉洞わっか
所在地 〒027-0501 岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉字小屋敷4-8
営業時間 9:30〜17:00
定休日 火曜日(月ごとの休業日は公式サイトのお知らせで告知)
電話番号 0194-22-8718
アクセス 盛岡からバスで約2時間/浄土ヶ浜から60分/北山崎から50分
駐車場 あり
公式サイト ryusendo-wakka.com

※2026年9月時点の情報です。営業時間や休業日は変わることがあります。月ごとの休業日は公式サイトのお知らせで告知されますので、訪問前にご確認ください。

ショップで日本酒を買って帰る

ビールは現地でしか飲めませんが、同じ蔵の日本酒「龍泉 八重桜」はショップで買えます。

龍泉洞の水で仕込んだ酒を、土産に持ち帰る形です。

同じ水から生まれたビールと日本酒を飲み比べられる場所は、多くありません。

まとめ

まとめ

泉金酒造のクラフトビールは、龍泉洞の水から生まれた一本です。

  • 創業は安政元年(1854年)。170年続く岩泉町の酒蔵
  • 日本酒の代表銘柄は「龍泉八重桜」。仕込み水は龍泉洞の地底湖の水
  • 2024年8月に第1弾「龍泉洞ヴィベール」の提供を開始
  • ヴィベールはラテン語で「飲む」の意味。岩手県産のヒエやアワを使った雑穀ヴァイツェン
  • 醸造所は交流拠点「龍泉洞わっか」の建物のなか。ショップとタップルームが同居している

洞窟を歩いて、同じ水で造ったビールを飲む。

岩泉でしかできない飲み方です。

龍泉洞を訪れる予定があるなら、わっかまで足を延ばしてみてください。

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