東京都港区にあるクラフトビールの醸造所を、エリア別に紹介します。

東京都港区は、オフィスビルの地下や1階にクラフトビールの醸造所が入っている街です。

新橋の路地裏、虎ノ門ヒルズの地下2階、芝大門のビルの1階。

意外にも仕込みタンクは、通勤の人波のすぐ横に置かれています。

2025年から2026年にかけて、芝浦・港南・高輪に新しい醸造所が続けて生まれました。

いずれも再開発でできた大型施設の中にあります。

古くからの路地裏にも、できたばかりの大型施設にも、醸造所が入っています。

それでは港区にある醸造所やクラフトビールの特徴についてわかりやすく紹介していきます。

この記事は、こんなことを知りたいあなた向けです。

  • 港区でできたてのクラフトビールを飲める場所はどこか
  • それぞれの醸造所がどんな銘柄を造っているのか
  • 新しくできた醸造所はどこにあるのか
  • 限られた時間で回るならどう組み立てるか

読み終えるころには、港区で行ってみたいブルワリーが見つかります。

港区の醸造所はオフィス街の足元にある

港区の醸造所はオフィス街の足元にある

港区の醸造所には、郊外のブルワリーのような広い敷地がありません。

ビルの1階、地下2階、商業施設の一角。造る場所と飲む場所が同じ建物に収まっています。

かわりに、タンクを目の前にしてグラスを傾けられます。

ガラス越しに仕込みを眺めながら飲める店が、港区にはいくつもあります。

もうひとつの特徴は、造り手の出自がばらばらなことです。

1971年創業の印刷会社、コーヒーの焙煎会社、レストランを手がける会社。ビール専業ではない会社が、自分たちの街で醸造を始めています。

芝・浜松町エリアの醸造所

芝・浜松町エリアの醸造所

浜松町駅と大門駅の周辺は、港区でもっとも醸造所が密集しているエリアです。

駅から歩いて数分の距離に、性格の違う醸造所が並んでいます。

Ottotto BREWERY 浜松町店:常時6種類の自家醸造が飲める

大門駅A1出口から徒歩1分、JR浜松町駅北口から徒歩3分のビル地下にあります。

店内にタンクが並び、仕込んだビールがそのままサーバーにつながっています。

常時そろう定番は次の6種類です。

  • ペールエール(5.0%):柑橘系の香りとコクのバランスを取った一杯
  • インディアペールエール(5.25%):ドイツ産の希少なモルツと3種のホップで、苦みに厚みがある
  • ヴァイツェン ボック(6.3%):コクと酸味が釣り合い、フルーティーな香りが立つ
  • ピーチビール(5.0%):ヴァイツェンをベースに桃を効かせた、爽やかな酸味と甘み
  • サンショウエール(4.7%):赤山椒がぴりりと舌に残る、ほかにない一杯
  • スタウト(5.5%):ロースト麦芽をたっぷり使った香ばしい黒ビール

赤山椒を使ったサンショウエールは、港区ではOttotto BREWERYでしか飲めません。

焼き物と合わせると、山椒の刺激が脂を切ってくれます。

季節ごとの限定も回ります。イチゴエール、マンゴービール、キウイビール、レモンヴァイツェン、ホワイトエール。

訪れるたびにタップの顔ぶれが変わります。

営業は月曜から木曜がランチ11時30分から14時30分、ディナー17時から23時。金曜と祝前日はディナーが23時30分までです。

土曜は16時30分から22時30分の通しで、日曜と祝日は休みになります。

FETISH CLUB TOKYO BREW LAB+BAR:1階で造って2階で飲む

芝大門にある、1階が醸造設備、2階がバーという造りの店です。

階段の紫のネオンを上がると、20ほどのタップが待っています。

並ぶのはほぼすべて自家醸造で、軸はIPAです。

ダブルドライホップ(DDH)で香りを重ねたHAZY IPAとWEST COAST IPAが看板になっています。

  • ULTRA:DDH KINKAN HAZY IPA(6.0%)。金柑を思わせる柑橘の香りが立つ
  • SHIBAHAMA:DDH WEST COAST IPA(6.0%)。苦みが輪郭を持って残る
  • MIRACLE:DDH SESSION IPA(3.5%)。度数が低く、昼から飲んでも軽い
  • ANOMALY:IMPERIAL PASTRY STOUT(12.0%)。デザートのように濃い

飲み比べのフライトが用意されているので、初めてなら少量ずつ試すのが向いています。

元麻布にも系列の店があり、開くのは14時からです。

芝大門の店は月曜から土曜の16時から22時30分まで。日曜が休みです。

スポンサーリンク

新橋・虎ノ門エリアの醸造所

新橋・虎ノ門エリアの醸造所

新橋と虎ノ門には、街の歴史を名前や成り立ちに引き受けた醸造所があります。

どちらも駅から数分です。

KUNISAWA BREWING Co.:1971年創業の印刷会社が新橋で始めた醸造所

新橋の、駅前の喧騒から少し離れた場所にあります。

醸造を担うのは、1971年に総合印刷会社として始まった河内屋です。

代表の國澤良祐さんは、20代のバックパッカー時代に北米と南米でホームブルーイングを知りました。

いつか新橋でビールを造りたい。願いを印刷業のかたわら30年しまい込んでいました。

動き出したのは2020年です。

コロナ禍でペーパーレス化が一気に進み、印刷業の立て直しと事業の多角化が必要になりました。30年前の願いを取り出し、2022年に新規事業として立ち上げたのがKUNISAWA BREWINGです。

看板は新橋クラシックラガー。ほかに濃厚なエールと、季節ごとに入れ替わるシーズナルが並びます。

直営のブリューパブ「Arts & Crafts KAWACHIYA」には12のタップがあります。

営業は月曜から金曜が12時から23時、土曜が15時から21時、祝日が15時から20時。日曜が定休です。

平日は昼から開いているので、打ち合わせのあとに寄れます。

dam pub:虎ノ門ヒルズの地下2階で溜池の記憶を注ぐ

虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの地下2階、駅直結の場所にあります。

2023年10月に「dam brewery restaurant」として開き、2025年3月にdam pubへ姿を変えました。

店名は、江戸時代に虎ノ門にあった溜池(街のダム)から取られています。

かつて水を配っていた場所で、いまはビールを配る。名前に土地の記憶が残っています。

店内にはタンクが据えられ、カウンター席とテーブル席のどちらからも仕込みの様子が見えます。

ビールの設計は、文京区のAugust Beerがディレクションを担っています。

食事と合わせることを前提に造られているので、料理と一緒に頼むのが向いています。

芝浦・港南・高輪エリアの醸造所

芝浦・港南・高輪エリアの醸造所

港区の海側は、2025年から景色が変わりました。

大型の再開発が続き、施設の中に醸造所が組み込まれています。芝浦・港南・高輪の醸造所は、どれも2025年以降に生まれた新顔です。

SHIBAURA BREWING:常陸野ネストの造り手が水辺の街で醸す

芝浦のブルーフロント芝浦、TOWER Sの2階にあります。

運営する111株式会社は2025年3月にできた会社で、コンセプトは「空を飲む。海を飲む」です。

醸造を担うのは、茨城県の木内酒造で常陸野ネストビールの醸造責任者を12年務めた造り手です。

木内酒造を離れたあとも、静岡のAoi Brewing、静岡蒸溜所、ニセコビール工場と立ち上げを重ねてきました。

定番は4種類です。

  • SKY PALE ALE:ペールエール。トロピカルフルーツと柑橘の香りに、白ワインのような上品さがある
  • NIMBUS WEIZEN:ヴァイツェン。バナナとクローブの香りで、苦みは控えめ
  • THUNDER IPA:イングリッシュスタイルIPA(6.0%)。強い苦みと鮮烈な香りが正面から来る
  • MOON STOUT:スタウト。コーヒーとチョコレートの香ばしさがありながら、飲み口は軽い

2026年6月からは瓶ビールの販売も始まりました。

店で飲むなら、2階のCANAL DINING HALLにあるドリンクスタンド「1-1-1」が入口になります。

YONA YONA TOKYO BREWERY:品川駅直結、よなよなエールの造り手が構えた旗艦店

品川インターシティのS&R棟地下1階に、2026年3月30日に開きました。

よなよなエールのヤッホーブルーイングと、飲食を手がけるワンダーテーブルの協業です。

席はおよそ200。駅直結の醸造所併設レストランとしては日本最大の規模です。

中央には360度を囲めるアイランド型のバーカウンターが据えられています。

併設の醸造所にはヤッホーブルーイングの醸造担当者が常駐し、年間66キロリットルを仕込む計画です。

品川でしか出ない限定ビールも複数用意されています。

タップに並ぶのは、よなよなエール、僕ビール君ビール、水曜日のネコ、インドの青鬼、山の上ニューイ、裏通りのドンダバダ、正気のサタン、眠れるししし、軽井沢高原ビール、有頂天エイリアンズなどです。

定番を一度に飲み比べられる場所は、都内でもそう多くありません。

営業は月曜から金曜が11時30分から15時と17時から23時、土日祝は11時30分から23時の通しです。

JR品川駅から徒歩6分、東海道新幹線の品川駅からは徒歩5分になります。

TAP:020:小川珈琲のラボに入ったブルワリー

高輪のニュウマン高輪MIMURE、2階にあります。

コーヒーの小川珈琲が2026年3月28日に開いた「OGAWA COFFEE LABORATORY 高輪」の中の一区画です。

OGAWA COFFEE LABORATORY 高輪は、およそ4,000平方メートルのワンフロアに12のラボを並べています。

コーヒー、ベーカリー、ショコラ、ジェラート、ワインバー。並びにビール醸造所が入りました。

店名のTAP:020は、IPAが発酵する18度から22度という温度帯から取られています。

銀色のタップは9本。ガラス越しにタンクを眺めながら飲めます。

ヘッドブルワーはロサンゼルス出身のグレゴリー・ベックさんで、広島に長く住んでいた経歴を持ちます。

開業時に注がれたのはWest Coast IPA、Amber Ale、American Lagerの3種類。今後は20種類前後のスタイルを順に展開する計画です。

営業は平日16時から23時、土日は11時から23時です。

スポンサーリンク

青山エリアの醸造所

青山エリアの醸造所

港区の内陸側にも、醸造設備を持つ店があります。

ラシーヌ マイクロブリュワリー:森の中のビストロが仕込む一杯

北青山の複合施設「ののあおやま」の1階にあります。

全国60以上の生産者から直接食材を仕入れるビストロで、店内にマイクロブルワリーを併設しています。

ビールの販売が始まったのは2022年9月です。

自然派ワインやカクテルと並んで、オリジナルのクラフトビールが選べます。

緑に囲まれた立地なので、昼はモーニングやドーナツ、夜はビールという使い方ができます。

営業はランチが11時から14時、カフェが14時から16時30分、ディナーが平日18時から22時、土日祝は17時からです。定休日は不定です。

港区のブルワリー巡りのポイント

港区のブルワリー巡りのポイント

港区の醸造所は南北に散らばっています。

移動の順番を決めておくと、1日で3軒は回れます。

山手線の東側にまとめると移動が短い

浜松町、芝大門、新橋、虎ノ門、芝浦、港南。ここまでは山手線の東側にひとかたまりで並んでいます。

浜松町を起点にすれば、いずれも徒歩か1駅で移動できます。

昼から開いている店を先に押さえる

平日の昼に開いているのは、新橋のKUNISAWA BREWINGと品川のYONA YONA TOKYO BREWERY、青山のラシーヌです。

夕方からの店が多いので、昼の1軒を先に決めると組み立てやすくなります。

日曜が休みの店を避けて曜日を決める

Ottotto BREWERYとFETISH CLUBの芝大門店、KUNISAWA BREWINGは日曜が休みです。

週末に回るなら土曜に寄せるか、日曜も開いている品川・高輪・元麻布を組み合わせてください。

タンクが見える席を指定する

dam pub、TAP:020、Ottotto BREWERYは、席から醸造設備が見えます。

予約のときに希望を伝えると、仕込みを眺めながら飲めます。

スポンサーリンク

まとめ

まとめ

港区のクラフトビールは、街の成り立ちがそのまま味の背景になっています。

  • 浜松町の周辺は、常時6種類のOttotto BREWERYとIPA中心のFETISH CLUBが徒歩圏に並ぶ
  • 新橋のKUNISAWA BREWINGは、1971年創業の印刷会社が30年温めた願いから始まった
  • 虎ノ門のdam pubは、江戸時代の溜池から名前を取り、駅直結の地下2階で醸す
  • 芝浦・港南・高輪の醸造所は2025年以降にできた新顔で、いずれも再開発の施設に入っている

造る場所と飲む場所が同じ建物にあるのが、港区の強みです。

できたての一杯を、造っている風景ごと味わってみてください。

関連記事

関連記事

東京23区のブルワリーは、こちらの記事でエリアごとにまとめています。

東京23区全エリア別ブルワリー完全ガイド!醸造所併設で出来たてクラフトビールを楽しもう東京23区すべてのエリア別にブルワリーを徹底紹介。醸造所併設のブルーパブで出来たてクラフトビールを楽しめるスポットを完全網羅しました。...

東京都全体のクラフトビールは、こちらの記事でまとめています。

東京都のクラフトビール完全まとめ!エリア別ブルワリーとおすすめ銘柄を徹底紹介東京都のクラフトビールを徹底解説!23区と23区外のエリア別ブルワリー紹介、おすすめ銘柄、ビアバー、販売店まで完全網羅。東京クラフトビールの魅力がすべてわかります。...