ビールを仕込むタンクを、自分たちで設計して造ってしまう醸造所があります。

山形県酒田市の「酒田トラディショナルビール」です。

本業は配管工事。

1999年に横浜で管工事業として創業し、2015年に酒田市へ配管を加工する工場を建てました。

パイプを曲げ、溶接し、つなぐ技術を四半世紀積み上げてきた会社です。

配管の技術を、2023年8月に工場の敷地内へ建てた醸造所に持ち込みました。

発酵タンクなどの醸造装置を、いまも自社で開発・製作しています。

定番のPale Aleに使うのは、庄内産の米「つや姫」。

限定醸造では、白鷹町のホップ、遊佐町のすだち、山形の紅花を仕込んできました。

2024年1月の販売開始から、Japan Great Beer Awardsで2年続けて賞を受けています。

この記事は次のことを知りたいあなたに向けて書きました。

  • 酒田トラディショナルビールはどんな醸造所なのか
  • 定番4種類はどんな味なのか
  • 山形の素材を使った限定醸造には何があるのか
  • 醸造所へ行けばビールを買えるのか
  • 通販やふるさと納税で手に入るのか

読み終えるころには、酒田トラディショナルビールの成り立ちと味、そして買える場所がわかります。

酒田トラディショナルビールとは

酒田トラディショナルビールとは

酒田市は、西に日本海、北に鳥海山を望む土地です。

麓には庄内平野が広がり、日本酒や焼酎の醸造が古くから続いてきました。

ブランド名の「トラディショナル」は、酒田で続いてきた酒造りの伝統を指します。

長く続く造り手の列に自分たちも加わりたい、という思いが名前に込められています。

ラベルに描かれているのは、酒田のシンボルとして親しまれてきた雌雄の大獅子です。

醸造所があるのは、パイプ・ラインエンジニアリング株式会社の酒田工場の敷地内。

本業は管工事と配管部材の製造で、酒田工場は2015年に建ちました。

ビール造りが動き出したのは2022年です。

酒田の人たちと地域活性化の一環として、地元の特産品を使ったクラフトビールを造る計画が立ち上がりました。

2023年8月に醸造所が完成し、2024年1月に販売が始まっています。

醸造所で働くのは5名。

ブランド名 酒田トラディショナルビール(SAKATA TRADITIONAL BEER)
醸造所 パイプ・ラインエンジニアリング株式会社 酒田工場敷地内
所在地 山形県酒田市京田4丁目8番2
販売開始 2024年1月
定番銘柄 Pale Ale/IPA/White Ale/Stout
公式サイト pipe-line.co.jp/beer

酒田トラディショナルビール 3つの特徴

酒田トラディショナルビール 3つの特徴

配管工事の会社が造るビールと聞くと、畑違いに思えるかもしれません。

ところが酒田トラディショナルビールの造りには、本業の技術がそのまま生きています。

3つの特徴に分けて紹介します。

特徴1:発酵タンクまで自分たちで造る醸造所

酒田工場の営業品目には、加工管の製造と並んで「醸造装置類製作」が入っています。

配管を加工してきたノウハウを使い、発酵タンクなどの醸造装置を自社で開発・製作しています。

ビールの仕込み設備は、ステンレスのタンクと配管の集まりです。

パイプを曲げ、溶接し、つなぐ技術は、そのまま醸造装置を組む技術に重なります。

造る場所を自分たちの手で用意できる。

酒田トラディショナルビールの土台には、25年分の配管技術があります。

特徴2:庄内の米「つや姫」を使うPale Ale

定番のPale Aleには、庄内産の米「つや姫」が入ります。

山形県が育てたブランド米で、酒田のある庄内平野が主な産地です。

麦芽とホップに米を重ねると、口当たりが軽くなります。

4種類のホップがもたらす柑橘の香りと合わせて、華やかで飲みやすい一本に仕上げています。

酒田で穫れた米が、酒田で造るビールに入る。

地元の特産品を積極的に取り入れる、という方針が最初の一本から表れています。

特徴3:Japan Great Beer Awardsで2年続けて受賞

Japan Great Beer Awardsは、日本地ビール協会が主催する全国大会です。

バランス・アフターテイスト・状態に加えて、ビールが持つ魅力や長所も審査の対象になります。

2025年はIPAとWhite Aleが銀賞、Pale AleとStoutが銅賞。

2026年はIPAとWhite Ale、そして限定醸造のBENIBANA ALEが銀賞を受けています。

販売開始から2年のあいだに、定番4種類はすべて賞に届きました。

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定番4種類の味わい

定番4種類の味わい

酒田トラディショナルビールの定番は4種類です。

すべて330mlの瓶で、アルコール分は4.5%から6.5%まで幅があります。

Pale Ale:つや姫と4種のホップが生む柑橘の香り

酒田トラディショナルビールの一本目として、2024年1月に世に出た銘柄です。

庄内産つや姫と4種類のホップを使い、柑橘を思わせる華やかな香りに仕上げています。

米が入るぶん、飲み口は軽やか。

ホップの苦味も強すぎないので、クラフトビールを飲み慣れていない人でも入りやすい一本です。

Japan Great Beer Awards 2025で銅賞を受けています。

ビアスタイル ペールエール
アルコール分 5%
原材料 麦芽(ドイツ製造、イギリス製造)、ホップ、米(山形県産つや姫)/二酸化炭素、カラギナン
容量 330ml

項目 評価
コク ★★★☆☆
キレ ★★★★☆
苦み ★★★☆☆
酸味 ★★☆☆☆
甘み ★★★☆☆

IPA:ホップを重ねたビター寄りの一本

ホップを贅沢に使った、ボディ感のあるIPAです。

フルーティーな香りの奥に、はっきりとした苦味が立ちます。

Pale Aleより苦味のテイストが強く、飲み口はドライ。

苦いビールを求めて選ぶなら、定番4種類の中でIPAが最も応えてくれます。

アルコール分は6.5%と、4種類の中でいちばん高く設定されています。

ビアスタイル IPA
アルコール分 6.5%
原材料 麦芽(ドイツ製造)、ホップ/二酸化炭素、カラギナン
容量 330ml

項目 評価
コク ★★★★☆
キレ ★★★★☆
苦み ★★★★★
酸味 ★★☆☆☆
甘み ★★☆☆☆

White Ale:白ワインを思わせる香りの低アルコール

白ワインのような香りが特徴のホワイトエールです。

アルコール分は4.5%と低めで、すっきりとした飲み心地に振ってあります。

小麦がもたらす柔らかな甘みに、弱い酸味が重なります。

食事の途中でも重くならず、最初の一杯にも合わせやすい味わいです。

Japan Great Beer Awardsでは2025年・2026年と2年続けて銀賞を受けています。

ビアスタイル ホワイトエール
アルコール分 4.5%
原材料 麦芽(ドイツ製造、イギリス製造)、ホップ/二酸化炭素、カラギナン
容量 330ml

項目 評価
コク ★★☆☆☆
キレ ★★★☆☆
苦み ★☆☆☆☆
酸味 ★★★☆☆
甘み ★★★☆☆

Stout:焦がした麦芽の香ばしさとコク

焦がした麦芽を使った黒いビールです。

コーヒーやナッツを思わせる香ばしさが立ち上がります。

味わいはどっしりとしていて、飲みごたえがあります。

アルコール分は4.5%と低めなので、色の濃さから受ける印象ほど重くはありません。

Japan Great Beer Awards 2025で銅賞を受けています。

ビアスタイル スタウト
アルコール分 4.5%
原材料 麦芽(イギリス製造)、ホップ/二酸化炭素、カラギナン
容量 330ml

項目 評価
コク ★★★★★
キレ ★★☆☆☆
苦み ★★★★☆
酸味 ★☆☆☆☆
甘み ★★★☆☆

山形の素材で仕込む限定醸造

山形の素材で仕込む限定醸造

定番の4種類に加えて、酒田トラディショナルビールは数量限定のビールを造ってきました。

地元の湧水・野菜・果物を使うのが基本の方針で、素材は山形県内から集めています。

4本を紹介します。

BENIBANA ALE:紅花染めで流される黄色を使ったセゾン

紅花は山形の県花です。

染物に使う鮮やかな赤は、大量の黄色い色素を洗い流さないと出てきません。

流されてしまう黄色にも目を向けてほしい。

紅花推進協議会の願いを受けて、BENIBANA ALEは生まれました。

ベースはセゾンです。

酵母が出すスパイシーさやハーブ感、フローラルな華やかさが特徴のスタイルで、

紅花の鮮やかな黄色を映した色合いに、軽やかに飲める味わいを合わせています。

Japan Great Beer Awards 2026では銀賞を受けました。

ビアスタイル セゾン
原材料 麦芽(ドイツ製造)、ホップ、紅花(山形県産)/二酸化炭素、カラギナン
容量 330ml

項目 評価
コク ★★☆☆☆
キレ ★★★★☆
苦み ★★☆☆☆
酸味 ★★★☆☆
甘み ★★☆☆☆

BENIBANA ALEは、定番4種類と組み合わせた飲み比べ6本セットで手に入ります。

SHIRATAKA HOP ALE:白鷹町のカスケードだけで仕込むペールエール

山形県白鷹町は、ホップが育つ土地です。

SHIRATAKA HOP ALEは、白鷹町産のホップを100%使って仕込んだペールエールです。

使う品種はカスケード。

アメリカンホップの代表格で、フローラルでスパイシー、グレープフルーツを思わせる爽やかな香りを持ちます。

複数のホップを重ねないシングルホップ仕込みなので、カスケードひとつが持つ香りと苦味の輪郭がまっすぐ出ます。

ビアスタイル ペールエール
ホップ 白鷹町産カスケード100%(シングルホップ)
容量 330ml

項目 評価
コク ★★★☆☆
キレ ★★★★☆
苦み ★★★☆☆
酸味 ★★☆☆☆
甘み ★★☆☆☆

SHIRATAKA HOP ALEは、330mlの瓶が1本から手に入ります。

HOKUGEN no SUDACHI:遊佐町で穫れる「北限のすだち」のフルーツエール

すだちの主産地は徳島県です。

ところが山形県の庄内では、雪を防寒に使ってすだちを育てています。

山形県は2010年から温暖化に対応できる果樹を探して試験栽培を続けてきました。

寒さに耐えて実をつけ、品質も良かったのがすだちです。

2017年からは地元の生産者も栽培を始め、産地の北限にあたることから「北限のすだち」としてブランド化が進んでいます。

HOKUGEN no SUDACHIは、遊佐町で穫れたすだちを使ったフルーツエールです。

搾ったときの爽やかな柑橘香に、皮の苦みと果汁の酸味がまとまります。

ビアスタイル フルーツエール
アルコール分 4.5%
原材料 麦芽(イギリス製造)、すだち(庄内産)、ホップ/二酸化炭素
容量 330ml

項目 評価
コク ★★☆☆☆
キレ ★★★★☆
苦み ★★☆☆☆
酸味 ★★★★★
甘み ★★☆☆☆

Ginger SMaSH:生姜を効かせたシングルモルト・シングルホップ

SMaSHは、Single Malt and Single Hopの略です。

麦芽もホップも1種類ずつに絞る造りで、素材の輪郭がはっきり出ます。

Ginger SMaSHは、シンプルな土台に生姜の香りを効かせた一本です。

飲み口はすっきりしていて、アルコール分は5.5%。

ビアスタイル シングルモルト・シングルホップ
アルコール分 5.5%
原材料 麦芽(イギリス製造)、生姜、ホップ/二酸化炭素
容量 330ml

項目 評価
コク ★★☆☆☆
キレ ★★★★★
苦み ★★★☆☆
酸味 ★★☆☆☆
甘み ★★☆☆☆

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醸造所でビールを買う

醸造所でビールを買う

酒田トラディショナルビールは、醸造所の中でも購入できます。

場所は酒田市京田の工業団地で、酒田インターチェンジと庄内空港のどちらからも近い立地です。

開いているのは平日の日中です。

土日祝は休みなので、庄内を旅する日程に組み込むときは曜日を確かめてください。

店舗情報

店名 酒田トラディショナルビール(パイプ・ラインエンジニアリング株式会社 酒田工場)
所在地 〒998-0102 山形県酒田市京田4丁目8番2
営業時間 9:00〜17:00
定休日 土日祝
電話番号 0234-28-8826
アクセス 酒田インターチェンジ・庄内空港から近い酒田市京田西工業団地内
公式サイト pipe-line.co.jp/beer

※2026年9月時点の情報です。営業時間や定休日は変わることがあります。訪問前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。

酒田トラディショナルビールを購入する方法

酒田トラディショナルビールを購入する方法

酒田まで足を運べなくても、酒田トラディショナルビールは手に入ります。

楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの3つと、酒田市のふるさと納税に取扱いがあります。

目的に合わせて選んでください。

初めてなら、定番4種類の飲み比べセットからどうぞ

楽天市場のセットは、Pale Ale・IPA・White Ale・Stoutが1本ずつ入った330ml×4本です。

Amazonにはギフトボックス付きの6本セットがあり、Pale AleとWhite Aleが2本ずつ、IPAとStoutが1本ずつ届きます。

BENIBANA ALE入りの飲み比べ6本セット

定番4種類が1本ずつと、Japan Great Beer Awards 2026で銀賞を受けたBENIBANA ALEが2本。

330ml×6本のセットです。

SHIRATAKA HOP ALE 330ml

白鷹町産カスケードだけで仕込んだペールエールが、330mlの瓶1本から手に入ります。

楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの3つに取扱いがあります。

ふるさと納税なら、限定酒2種を含む6種類が届く

山形県酒田市のふるさと納税の返礼品です。

定番4種類に期間限定の2種類を加えた6種類が、330mlで1本ずつ届きます。

ふるさと納税がなぜお得なのかについて知りたい方はこちらの記事をどうぞ。

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まとめ

まとめ

酒田トラディショナルビールは、配管工事の会社が2024年1月に世に出した山形県酒田市のクラフトビールです。

本業で25年積み上げた配管技術を使い、発酵タンクなどの醸造装置まで自社で開発・製作しています。

造る道具から自分たちの手で用意する醸造所です。

定番は4種類。

庄内産つや姫を使うPale Ale、苦味の立つIPA、低アルコールのWhite Ale、香ばしいStout。

販売開始から2年で、4種類すべてがJapan Great Beer Awardsの賞に届きました。

限定醸造には、山形の素材が並びます。

紅花染めで流される黄色を使ったBENIBANA ALE、白鷹町のホップだけで仕込むSHIRATAKA HOP ALE、

遊佐町の「北限のすだち」を使うHOKUGEN no SUDACHI、生姜を効かせたGinger SMaSH。

ビールは醸造所でも買えますし、通販とふるさと納税でも手に入ります。

酒田の米と、山形の畑で育ったものが入った一本を、まずは飲み比べセットから試してみてください。

大好きなビールを存分に楽しみましょう。

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