福島県玉川村では、かつてホップが栽培されていました。

ホップ栽培の技術は今、失われています。

失われた栽培を玉川村でもう一度。

ホップ栽培の再興を掲げて2022年に設立されたのが、株式会社あぶくまビールです。

ただし、始まりから3年間は自社の醸造設備を持っていませんでした。

田村市のホップジャパンの設備を借りて仕込み、販売は村内とイベント出店に限られていました。

2025年6月末に製造免許を取得し、7月1日に自社醸造所が動き出します。

阿武隈川のそばに建つ複合施設「乙な駅たまかわ」の中、Abukuma Riverside Brewery。

初の自家醸造ビールが店頭に並んだのは、同年8月9日のことでした。

この記事は次のことを知りたいあなたに向けて書きました。

  • あぶくまビールはどんな醸造所なのか
  • なぜホップ栽培の再興を掲げているのか
  • 造り手はどんな人なのか
  • どんな銘柄があるのか
  • どこで飲めて、どこで買えるのか

読み終えるころには、あぶくまビールの成り立ちと味、そして味わえる場所がわかります。

あぶくまビールとは

あぶくまビールとは

あぶくまビールは、福島県石川郡玉川村でクラフトビールを造る株式会社です。

設立は2022年。醸造所の名前はAbukuma Riverside Brewery(あぶくまリバーサイドブルワリー)といいます。

醸造所があるのは、阿武隈川のそばに建つ複合施設「乙な駅たまかわ」の中。

近くには日本の滝百選に選ばれた乙字ヶ滝があります。

仕込みの規模は500リットルから1000リットル。

小規模なぶん、一つひとつ丁寧に造れる体制です。

目指しているのは、ホップの豊かな香りとモルトの味わいのバランスを大切にした、飲み飽きないビールです。

会社名 株式会社あぶくまビール
醸造所 Abukuma Riverside Brewery
所在地 福島県石川郡玉川村竜崎滝山12-26(乙な駅たまかわ内)
設立 2022年
自社醸造の開始 2025年7月1日
代表取締役 渡辺 潤
醸造責任者 和田 正樹
仕込み規模 500〜1000リットル
公式オンラインストア shop.abukuma-beer.com

あぶくまビール 3つの特徴

あぶくまビール 3つの特徴

掲げているものにも、歩んできた道のりにも、造り手の経歴にも理由があります。

3つの特徴に分けて紹介します。

特徴1:失われたホップ栽培の再興を掲げている

玉川村は福島県のほぼ中央に位置し、福島空港や高速道路がある福島県の玄関口です。

幻の果物と呼ばれるさるなしをはじめ、ブルーベリー、トマト、米といった農産物が採れます。

そして、かつてはビールの原料になるホップも栽培されていました。

ただし今は、栽培の技術が失われています。

あぶくまビールが掲げているのは、玉川村でのホップ栽培再興と、育てたホップを使ったビールづくり。「玉川村でしかできないビールづくり」という言葉で表しています。

特徴2:3年間は他社の設備を借り、2025年に自社醸造を始めた

2022年の設立から3年間、あぶくまビールは自社の醸造設備を持っていませんでした。

田村市のホップジャパンの設備を借りて仕込んでいたのです。

借りて造るあいだ製品の流通は限られ、販売は村内とイベント出店が中心でした。

2025年6月末に自社醸造所の製造免許を取得し、7月1日に醸造を開始します。

生産量は2024年度が約3,500リットル。2025年度は最低1万リットルを目標に掲げ、県内のスーパーなどへ販路を広げる計画です。

特徴3:地域おこし協力隊から醸造責任者になった造り手

醸造責任者の和田正樹さんは、玉川村の地域おこし協力隊として村に入った人です。

協力隊を卒隊したのち、株式会社あぶくまビールに入社しました。

醸造で出た麦芽かすは捨てません。

村内で農業支援に取り組む地域おこし協力隊員に、肥料として無償で提供しています。

渡辺潤社長は、石川郡を盛り上げるため地域の特産品を使ったビールも提供していきたい、と語っています。

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玉川村の素材で仕込む8種類の味わい

玉川村の素材で仕込む8種類の味わい

定番は2種類。

定番に復活枠と限定醸造が加わり、公式サイトには8銘柄が並びます。

コラボレーションの相手は、地元の神社や果樹園。

玉川村と近隣の素材を使った銘柄が多いのが特徴です。

乙な麦:はじめての一杯に向く軽やかなセッションIPA

香りは爽やかで、苦すぎない。軽めで飲みやすいセッションIPAです。

柑橘系の香りと軽快な苦みが特徴で、肉料理とも合います。

自社醸造所で最初に仕込まれ、2025年8月9日に発売された銘柄でもあります。公式が「はじめて飲む方におすすめ」と挙げている一本です。

ビアスタイル Session IPA
アルコール分 4.5%
容量 330ml
区分 定番

項目 評価
コク ★★☆☆☆
キレ ★★★★☆
苦み ★★★☆☆
酸味 ★★☆☆☆
甘み ★★☆☆☆

乙な小麦:苦みが苦手な人に向くホワイトエール

小麦をたっぷり使い、やわらかな口当たりとフルーティな香りが広がります。

すっきりとした飲み心地です。

公式が、苦味が苦手な方にもおすすめと挙げている一本です。

ビアスタイル White Ale
アルコール分 5.0%
容量 350ml
区分 定番

項目 評価
コク ★★☆☆☆
キレ ★★★☆☆
苦み ★☆☆☆☆
酸味 ★★★☆☆
甘み ★★★☆☆

さるなしエール:玉川村特産の幻の果物を使ったフルーツエール

玉川村特産の「さるなし」を使ったフルーツエールです。

さるなしはキウイフルーツの近縁種で、幻の果物とも呼ばれます。

さるなしの香りと酸味が楽しめる一本です。

ビアスタイル Fruit Ale
アルコール分 5.5%
容量 350ml
区分 限定

項目 評価
コク ★★☆☆☆
キレ ★★★☆☆
苦み ★★☆☆☆
酸味 ★★★★☆
甘み ★★★☆☆

THE AMBER:モルトの香ばしさを生かしたアンバーエール

モルトの香ばしさを生かし、ホップの苦味を抑えたアメリカンアンバーエールです。

深みのある琥珀色が美しく、目でも楽しめます。

ビアスタイル American Amber Ale
アルコール分 6.0%
容量 350ml
区分 復活

項目 評価
コク ★★★★☆
キレ ★★★☆☆
苦み ★★☆☆☆
酸味 ★★☆☆☆
甘み ★★★☆☆

THE IPA:2度のホップ投入で仕上げるウエストコーストIPA

ホップの華やかな香りと、シャープな苦味と後味が特徴です。

アメリカ西海岸発祥のホップをふんだんに使い、醸造過程で2度投入しています。

アルコール分は7.5%とラインナップで最も高く、肉料理やスパイシーな料理と好相性です。

ビアスタイル West Coast IPA
アルコール分 7.5%
容量 350ml
区分 限定

項目 評価
コク ★★★★☆
キレ ★★★☆☆
苦み ★★★★★
酸味 ★★☆☆☆
甘み ★☆☆☆☆

ENMA:アルコール分3.0%のセッションラガー

ニュージーランド産ホップが生み出す白ブドウのような香りと、キレのあるドライな味わいです。

シャンパンを思わせるすっきりとした仕上がりになります。

アルコール分は3.0%。ラインナップで最も低く、軽く飲みたいときに向きます。yodgeとのコラボレーション銘柄です。

ビアスタイル Session Lager
アルコール分 3.0%
容量 350ml
区分 復活・コラボ(yodge)

項目 評価
コク ★☆☆☆☆
キレ ★★★★★
苦み ★★☆☆☆
酸味 ★★☆☆☆
甘み ★★☆☆☆

雷神エール:生姜と黒胡椒で仕込むスパイスエール

ジンジャーの爽やかな香りと、ブラックペッパーのピリッとした刺激が楽しめます。

飲むほどに刺激が広がるスパイスエールです。

地元の大雷神社とのコラボレーション銘柄になります。

ビアスタイル Spice Ale
アルコール分 4.5%
容量 350ml
区分 限定・コラボ(大雷神社)

項目 評価
コク ★★★☆☆
キレ ★★★☆☆
苦み ★★★☆☆
酸味 ★★☆☆☆
甘み ★★☆☆☆

Pomme STAR:須賀川市のサンふじで仕込むセゾン

福島県須賀川市の小黒果樹園のサンふじりんごを使ったセゾンスタイルのフルーツエールです。

りんごの風味と甘みが楽しめます。

ビアスタイル Fruit Ale(セゾン)
アルコール分 5.0%
容量 350ml
区分 限定・コラボ(小黒果樹園)

項目 評価
コク ★★☆☆☆
キレ ★★★★☆
苦み ★★☆☆☆
酸味 ★★★☆☆
甘み ★★★★☆

銘柄の顔ぶれは季節によって入れ替わります。

公式オンラインストアには、季節限定を詰め合わせたセットも並びます。

乙な駅たまかわと直売所

乙な駅たまかわと直売所

あぶくまビールは、村内の2か所で手に入ります。

醸造所が入る複合施設「乙な駅たまかわ」と、すがまプラザ交流センターの直売所です。

乙な駅たまかわ(醸造所併設)

阿武隈川のそば、乙字ヶ滝の近くに建つ玉川村の複合型水辺施設です。

施設の中にAbukuma Riverside Breweryがあります。

乙な駅たまかわと醸造所は、施設見学の案内も行っています。

施設名 乙な駅たまかわ(Abukuma Riverside Brewery 併設)
所在地 福島県石川郡玉川村竜崎滝山12-26
営業時間 10:00〜17:00
定休日 施設の休業日に準じます
電話番号 070-2829-3513
備考 施設見学の案内あり
公式オンラインストア shop.abukuma-beer.com

※2026年9月時点の情報です。営業時間や定休日は変わることがあります。訪問前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。

あぶくまビール直売所(すがまプラザ交流センター)

村内のすがまプラザ交流センターRoom11にある直売所です。

乙な駅たまかわより朝早くから開いています。

店名 あぶくまビール直売所
所在地 福島県石川郡玉川村南須釜奥平290 すがまプラザ交流センターRoom11
営業時間 8:30〜17:00
電話番号 070-2829-3513
公式オンラインストア shop.abukuma-beer.com

※2026年9月時点の情報です。営業時間や定休日は変わることがあります。訪問前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。

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あぶくまビールを購入する方法

あぶくまビールを購入する方法

玉川村まで足を運べなくても、あぶくまビールは手に入ります。

公式オンラインストアが通販の窓口です。

定番の乙な麦と乙な小麦に加えて、時期ごとの限定ビールも並びます。

季節限定を詰め合わせたセットもあります。

銘柄はいずれも6本入りが基本です。

まとめ

まとめ

あぶくまビールは、福島県玉川村で2022年に設立されたクラフトビールの会社です。

掲げているのは、村で失われたホップ栽培の再興と、育てたホップを使ったビールづくり。

「玉川村でしかできないビールづくり」という言葉で表しています。

設立から3年間は田村市のホップジャパンの設備を借りて仕込んでいました。

2025年7月に阿武隈川のそばで自社醸造所が動き出し、翌月には初の自家醸造ビールが店頭に並びました。

醸造責任者の和田正樹さんは、玉川村の地域おこし協力隊から入社した人。

醸造で出た麦芽かすは、村内で農業支援に取り組む協力隊員に肥料として無償提供されています。

定番は軽やかな「乙な麦」とやわらかな「乙な小麦」。

玉川村特産のさるなしを使った限定醸造や、地元の神社・果樹園とのコラボレーション銘柄もそろいます。

村を訪れるなら乙な駅たまかわと直売所へ。

遠方からなら、公式オンラインストアが窓口になります。

大好きなビールを存分に楽しみましょう。

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